システムインテグレーター(SI)とは

2020/04/05
カテゴリー: ホームページ関係

「IT業界」と言っても、その分野は非常に多岐に渡り、複雑です。
今回はそのIT業界の 中でも近年特に注目を集めている「 システムインテグレーション (SI)」について詳しくお話ししていきます。








1.システムインテグレーション(SI)とは




システムインテグレーション (SI)は 情報システムの企画から設計、構築、保守、運用まで一貫して行うサービスのことです。これらを行う企業はSI企業またはSIer(エスアイアー)と呼ばれています。

似たような言葉として「”SE”は聞いたことがある」という人もいらっしゃると思います。それではまずSI、SIer、SE の違いをお話ししながら、それぞれがどういうものなのかを詳しくお話しします。




2.SI、SIer、SEの違い








SI、SIer、SEの違い


SI  情報システムの企画から設計、構築、保守、運用まで一貫して行うサービスのこと

SIer(エスアイアー) SIを行う企業のこと。SI企業とも呼ばれます。

SE システムエンジニアの略で特にSI業界では、SIの業務を行うためにそのプログラムの設計をするのことを指します。

 

 

SIerとSEの関連性



SIサービスを導入する企業はよく知られた大企業であることが多いです。 そのため、一つのSIサービス実現のために、多くの SEが携わることになります。SEはプログラマーなどの管理のためのコミュニケーションに加えて、システム全体の中で自分の担当システムの進捗に遅れがないように遂行する必要があります。

 

 

補足:SE(システムエンジニア)とPG(プログラマー)の違い

「システムエンジニア(SE)」とは特にプログラムの設計をする人のことです。システム開発の「要件定義(実装すべき機能や満たすべき性能などを明確にしていく作業)→設計→製造→試験」という流れの内、SEが主に担当するのはその内の要件定義から設計の部分です。

「プログラマー(PG)」とは、SEに対して、その作成された設計書に沿ってプログラミングを行う人のことです。システム開発における設計ではなく、製造工程を担当します。設計書に記載されている内容を実装するためにはどのようなコードを用いるか考えるのもプログラマーの重要なポイントとなります。






3.SIerの種類









1.独立系SIer

特定の親会社を持たず、独自に成り立ったSIerです。
代表的な独立系SIerには大塚商会、SCSK、日本ユニシスなどがあります。




2.ユーザー系SIer

コンピューターシステムを事業活動として取り入れた多様な民間企業から独立した情報システム部門が発端となったSIerです。代表的なユーザー系SIerには NTTデータ 、 NTTコミュニケーションズ 、 伊藤忠テクノソリューションズ などがあります。




3.メーカー系SIer

コンピューターメーカーやハードウェアメーカーの情報処理部門やソフトウェア開発部門などから独立したSIerです。
代表的なメーカー系SIerには 日立製作所、 富士通 、NEC などがあります。




4.コンサル系SIer

技術中心ではなく、経営戦略に主眼をおいている超上流が得意なSIerです。
代表的なコンサル系SIerには 野村総研(NRI) 、 アビームコンサルティング 、 フューチャーなどがあります




5.外資系SIer

グローバルな市場で活躍しているSIerです。
代表的な外資系SIerには 日本HP 、 Cisco 、 アクセンチュア などがあります。




4.SIerのプロジェクトの種類








SIerが行うプロジェクトの種類は非常に多岐にわたります。
代表的な例として、 以下のようなカテゴリーがあります。




金融業 のシステム
→ 銀行合併時におけるシステム統合、ネットバンキング、顧客や口座情報管理システム

官公庁のシステム
→ 日本年金機構の年金システム、特許庁の特許管理システム、防衛庁の防衛システム

卸/ 小売業のシステム
→ コンビニやスーパーの商品配送システム、レジ情報とマーケティングと在庫管理を繋ぐPOSシステム

医療系のシステム
→ 電子カルテ、保険、医療画像処理、治験データ管理システム

社内システム
→ 会計処理、人事管理、顧客管理システム




SIerのプロジェクトの割合で見ると、IT業界23%、製造業22%、金融19%、情報通信10%、官公庁8%、卸業・小売業6%となっています。この割合からもIT・情報通信向けプロジェクトと製造業向けプロジェクトで全体の半分を占めていることがわかります。
( ※2013年 経済産業省特定サービス産業実態調査)




ここまでSIerの現在の状況をお話ししてきました。
では続いて、これらの国内のSIer、SI 業界全体が抱える課題についてお話しします。




5.SI業界の課題と今後




SI業界は、近年の目覚ましいIT化を背景に右肩上がりの成長を維持しています。

しかし、大不況期に最大の加速時期を迎えたこともあり、SIerに全企業のシステムインテグレーションが集中的に委託される市場となりました。その結果、SI業界は構造的な問題点をいくつか抱えています。








課題① 多層構造化



エンジニアの育成に対して多すぎる仕事量

90年代の国の後押しも手伝って、SIer化は急速に進みました。国からの助成金も出たことで、エンジニアの採用・育成は一気に進められましたが、それでも各SIerに対しての仕事量の多さには全く追いつくことができませんでした。




下請けに丸投げする構造

その結果、自社で受けきれない案件を下請けに丸投げする企業が発達してしまったのです。

大手企業からSIの案件を丸投げされた中小SIerも、自社のプロパーだけではその仕事量をこなすことができず、SES企業、 派遣企業、アウトソーシングなどを駆使しあらゆる方面から技術者をかき集めて、急ピッチでチームを編成をするという非常に危険な状況が続きました。




結果として生まれた多重構造

そしてそれが重なることで、クライアントから見て、間に何社も入っているような多層構造となっているプロジェクトが非常に多くなってしまったのです。




課題② 高コスト化



SI業界に限らず多層構造となっている産業に共通する問題

多層構造が蔓延することで、間に入る各企業が利益を確保しようとするため、大元の日本の大手企業がSIerに支払うコストが海外に比べて相対的に高コストになるという状況になりました。




末端で働くエンジニアの劣悪な労働環

コストが大きくかかる一方で、必然的に企業で働くエンジニアに対しての待遇も悪くなりました。この負のスパイラルが、SI業界の最大の問題点と言えます。







6.まとめ





さて、ここまでSI業界のさまざまな状況を多方面から見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

弊社はホームページ制作を行っている会社ですが、クライアント様とのお話の中で今回の「SIerについて」の話題が度々出てきたので、私の方でも詳しくまとめようと思い記事にすることになりました。皆さまの参考になれば幸いです。

文書:井上




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